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不自由な子供

「最近あの人来ないねぇ。」

と、息子に言われた実家からの帰り道。
うん。その人はもうおそらく、来ないんだ。
その人のことを、あなたたちが好きなのは、よくわかってる。

「でももう、あの人来ないと思う。だっていっつも『会いたいなぁ』って思ったら来てたけど、今むっちゃん会いたいなぁって思ってるけど来ないもん」

子供は子供で、自分の置かれた環境と折り合いをつけながら日々を暮らしている。
何も感じていないなんてこと、あるわけがないね。

今まで何人の人が私の子供たちに出会って、疎遠になっていっただろう。
それを見ていれば、子供たちにもわかるはずだ。いろいろなことが。


子供ってのは不自由だな。
でもそれが、扶養されているということなんだろう。
子供なりに折り合いをつければいい。

私はこのことで、子供に謝るつもりはないしそんな気も起こらない。

個人的な感情はそりゃああるけれど、そんなものをぶちまけたところで迷惑でしかないだろう。子供にとっても。

「そうだね。多分もう来ないかもしれないなとお母さんは思うよ」
とだけ告げて、この話を終わりにした。


もうちょっとがんばるから、がんばろうよ、勝手な言い分だけどさ。
少しずつ、進んで行けばいい、きっとね。
のんびりのほほん、と、笑って歩いて行きたいものです。
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