サボテンとバントライン
ホーイ、サボテン 緑の光 バントラインと僕を照らしてくれ
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王国はいつも王様の入って行けないところにある 2012-08-23

けらいのひとりもいない王様が草原を行く
王国を一度も持ったことのない王様が馬に乗って行く
浜辺では魚たちが騒いでいる
王国はいつも王様の入って行けないところにある
月は線路橋の柵を照らしている
男の子の親たちは家の中で晩御飯を食べている
ねぇ、君だけどうして晩御飯を食べないの
家族はいつも男の子の入って行けないところにある
(けらいのひとりもいない王様/友部正人)

孤独を淡々と歌ってる曲。
聞いているとこころがしおしおします。
なんだか微妙に心がスッキリしないまま週末。
自分のことは自分にしかわからないけれど、自分だからわからないことが多過ぎる。
ああ、遊びに行きたい。
ごきげんよう、たいこです。
伊坂幸太郎のあるキングを読了。
面白い本でした。
前回の一曲が「ガンバレタカハシ」だったのは、この本の話を書こうとしたからに他ならない。
記事をアップしてから「あっ」って思ったんであります。うっかりすぎる。。。
「頑張れの語源は『我を張る』なんだよ。」
っていう台詞が物語の中に何度も何度も出てくる。
このセリフが非常に印象的で、ガンバレつながりのあの曲を選んだのでした。
で。あるキング。
冒頭に、マクベスに出てくる有名なセリフが引用されています。
「Fair is foul, and foul is fair. 」
これに続いて、マクベスを翻訳した様々な翻訳家のこのセリフに対する訳が並ぶのです。
私が知っている訳は「綺麗は汚い、汚いは綺麗」だったのですが、
この曖昧なセリフはいろいろな言葉に訳されているようで。
物語自体もマクベスを下敷にしたお話です。
といっても私はマクベスは「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
しかちゃんと観たことがないのですが。
(ロズギルはマクベスに出てくるものすごい端役。その端役に焦点を当てたまったく別のお話です)
マクベスを下敷にしたプロ野球のお話なのだけれど、
全然スポーツとしての野球の小説ではないです。
王というものがいる世界では、王と平民は全然異質のものであって交わることはあまりない。
王は搾取する側で惨殺する側で、民衆にひどいことをするのが王なのだと思う。
国のために戦争へ行け、兵隊になれ、金をよこせ。とやるのが王様。
王様はそのかわりに、個人では出来ないやり方で自分の民を守ったりするわけです。
王様の目線と民衆の目線は、そもそもが違う。
王様が民衆の中に紛れてしまったら、それはすごく異質である。
主人公の王求(おうく)の人生に沿った流れで、語り手を変えながらひたすら王求の人生を追っていく。
それは、民衆の中に紛れた王の物語であり、生まれついてずっと異質なものであり続けた人の物語。
世界は一人の力ではどうにもならないだとか、奇跡なんて起こらないだとか。
なんだかこうして書くと希望のかけらもないようなことを伊坂幸太郎は描くのですが。
それでも彼の作品の中には希望みたいなものが見える。
ポジティブでもネガティブでもなく、ニュートラルな感じがする。
どんなに頑張ってもさほど変わらない大きな世界の中で、ちょっとした格言や気休めを胸に生きる人達。
そういう感じがとっても好きなのです。
うーん。感想が我ながらとても漠然としている。


金曜日~土曜日と子供がいなかったので、会社帰りにレイトショーを観てきました。
なあにこれOLっぽくない?なんか働いてる人っぽくない?とか思ったり思わなかったり。
会社の向かいがショッピングモールでして、その中に映画館があるのですね。
金曜日のその映画館は、会員様一律1000円!みたいな素敵なことをしていまして。
1度でいいからその恩恵にあずかってみたかったのです。
観たい映画がことごとく9月公開で、どうしたものかなーと思っていたのだけれど、
るろうに剣心が先行上映してるっていうじゃーありませんかー。
というわけで、レイトショーでるろうに剣心。
脇役のキャストがなかなか魅力的で気になっていた映画で。
実は原作全然読んでない。内容知らない。
見始めは「ござるよ」がとっても違和感があって気になっていたのだけれど、
それも観ていくうちに若干慣れ(でもまるっと慣れるまで行かなかった)まして。
全体的によく頑張ってる映画だと思います。
映画が映画なだけに殺陣のシーンが多いのですが、冒頭から前半までの殺陣、実は何がなんだかよくわからず。
もちっとごちゃごちゃっとした感じがないとよかったなあと思ったりしたのでした。
後半から物語もしゅっと締まっていき、そこはかとなく集中して観ることができました。
シリアスと笑いのバランスもすごくよかった。
さらにいい味出してた。。。香川照之。
香川照之の気持ち悪さが大変素晴らしかった。
香川照之と喧嘩屋役の人の出てくるシーンで、思わず声立てて笑ってしまいました。
ストーリーは簡単だしわかりやすいし、ただただ薄いだけではなく人を斬ることについての葛藤やらなにやら。
逆刃刀なんていう物騒なものを持っている理由や、
それまでに負ってきた傷なんかもきちんと描かれていておりました。
武井咲ってよく知らなかったんだけどかわいー子だなあと思いながら見ていたり。
蒼井優の着物に道行、前髪ぱっつんで長く卸してる姿がすごくよかったです。
悪役も非常に悪役らしい悪役で、クライマックスの殺陣は素晴らしかった。
殺陣はいいね。殺陣は。
なんだか非常にあっさりとした書き味になりましたが、そんな感じ。
軽めの娯楽映画という感じならぴったりなのではないでしょうかー。


自分もいきなりいろんなことを決める人なのだけれど、
最近気づかぬうちに事態がものすごく動いてることが本当に多い。
あれよあれよと流されているわけですが、流されている事自体は嫌ではないし楽しいので問題はない。
楽しいことが待ってるちょっと先の未来って素晴らしいですね!
色々と温かい気持ちを受け取っている気がします。
このまま良い感じに転がってくれるといいなあ。と思ったりしました。

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