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個性

 個性が強い、とか弱い、とか個性的、とかいう言い方をよくするけれど、本当に厳密な意味で個性を語れば、10人いれば10通りあって強いも弱いもないものだと思う。
個性的だね、なんて言い方をよくされる。それは言い換えれば「アクが強い」ということに他ならないんじゃない?

 野菜で例えてみよう。
レタス。これはアクがない。色々なものによく合うのは、レタス自身にアクがないから。主張が控えめなので大抵のものと合う。これは、なんにでも合わせやすいというレタスの個性。
ピーマンに苦味があって苦手な子どもが多いのもこれまた個性。炒めても生でも両方ポピュラーという個性。

 個性とは、それをそれと定義するもの、のような気がするよ。主体性のあるなしと個性のあるなしはまったく別のものだと思う。自分に自信がないから目立たないように周りに合わせるのも個性、それに悩んでしまうのもたいして悩まないのも個性。

 こういう項目を細かく設定して行った時に、すべての質問に同じ回答をする人間ってのはきっとひとりもいない。それが立派な個性だ。あなたをあなたたらしめているもの。価値観。自分には何もない、なんて思ってる人はもうそれだけで個性的だ。何もないなんて事、絶対にあるはずがないのだけれど。だって私たちは考える頭を持っていて、自分には何もないと考えられるほどには何かを持っているのだから。

 目立つ人がいい、わけでもない。
誰かとじっくり付き合っていけば、みんなそれなりに味わい深いのだと思う。ただ、それが自分に合うかどうかという話。いいも悪いもないね。

 私とあなたの個性がぶつかり合う。そこで何かがうまれていって、その結果何かが残る。それってとっても楽しい事。私とあなたとの共通点。そこが出発点でもいい。でも大事なのはきっと、私とあなたの相違点だ。それっていいわね、って思うこともあれば、それってなんだかおかしいわね、って思うこともある。ずっと傍にいる人とは、こういう作業を丁寧にゆっくりとやっていきたいなといつも思っている。

 あなたと私は違う、で終わらせてしまっては面白くない。それはもしかしたら、すごく素敵でたいせつなものを自ら手放してることかもしれないから。個性とは、そういう風にお付き合いしていきたいなと思っています。
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