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家族論

理想的な家族の関係の話、ということで。

普通、家族というと、お父さんがいて、お母さんがいて、
子供が何人かいて。
それぞれに上下関係が発生している、
という環境が一般的なのではないかと思う。

お父さんの仕事は、働いて家族を養うこと。

お母さんの仕事は、お家の中で家族が心地よく生活できるように、
家事をやること。

上の子は下の子の面倒をよく見て…みたいな。


父親なんだから、母親なんだから、おねえちゃんだから、
弟だから、上だから、下だから。

家族の中に「おとうさん」という役割があり、
「おかあさん」という役割があり。
子供にも子供で、ちゃんとした立場があり。

こういう関係って、息苦しくないのかなぁ?

家族という集団の中の、こうあるべき役割に苦しむというか。
その役割に、過剰に期待したり失望したり。
押しつぶされそうになったり。

本来、親も子もタダの一人の人間である。
縁があって(血のつながりがあろうとなかろうと)
親と子、という立場を担っているだけである。


家族と言う集団の中で…お互いがお互いを人として認めあい、
その中で人間性をはぐくんでゆく…といううのではだめなのだろうか。

私の実家は、なんとなくそういう家族だった。

父親は最初から父親であることを放棄していたし、
母親は子供たちが一人で身の回りのことをできるようになり、
一応自分で考えて行動できる歳になってからは、
子供である私たちに、必要以上の強要をしなかった。

私は勉強しなさいと、言われたことがない。

必要最低限の事は勿論言われるけれど、
家族の母・娘というよりは、集団に於ける人生の先輩・後輩として、
というところが大きかったように思う。

なので私は、必要以上に親に反発した記憶があまりない。
反抗期らしい反抗期は、小学校高学年が最後だろう。

ここで父親が出てこないのは、
父親は本当に親である事を放棄したからに他ならない。
お金を稼いでは来ていたけれど、なんせちぐはぐな人だった。
今の話とずれるので、父親は省略することにして…

こういう間柄だから、親だから、子だから、と、
必要以上に何かを隠す関係ではなかった。
それこそ、母親の色っぽい話まで色々と聞いていた。

必然的にそういう環境で育った私は、
父も母も、一人の人間として見るようになる。

この人はこういう短所があるけれども、こう言うところが好きだとか。
父だ母だ娘だという垣根を取り払って観ることが出来る。

親としての愛情が少ないということではなく、
わが子を所有物化しないということなんだと思う。

うちの母親は、子供を預かり物という感覚で見ていたんだと思う。

縁があって、自分のおなかの中から出てきた、神様からの預かり物。

夫婦の間でも、親子の間でも、上下関係がない、対等な関係。

こういう関係ってすごくいいと思うのだが。
そして、私もこういう家族関係(親子関係)を目指している。
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