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小生物語


乙一 / 幻冬舎(2004/07)
Amazonランキング:8,075位
Amazonおすすめ度:

乙一のWeb日記を書籍化した本。
いい具合に肩の力が抜けた文章で、楽しめる。
乙一のあとがきが好きな人にはお勧めだと思う。


…と、小生物語の書評に書いてあるような事を並べてみた。
「素が出ているようで見事に交わす」というような文章をどこかで見かけたのだけれど、なんというか見事に「この人きっとこういう人なんだろうなぁ」という人物像はよく見える本です。


すっごい男子的な妄想(非エロ)と連想の飛躍が読んでいてとても楽しい。
一体脳みそのどの部分を使ったらこういう文章がポンポン書けるのだろうなんて思ってしまう。


あとがきで、「乙一は変な人」という認識を持たれたのがうっとおしくなった、と、筆者が述べているけれど、世間一般みたいな思考の枠組みには収まらない人だからあんな文章を書くんだと思う。
こういう想像やら妄想がとめどなく出てくる人というのは、大抵暗い人だと思っている。


うわぁ、すごいなぁ、おもしろいなぁ って思う人は大抵暗い。
「僕面白いよ」っていう自称おもしろい人で明るい人って大抵面白くなくて(毒)いらいらしたりする事も多いのだけれど。


ノリが良いというのと、面白いというのはまったく別次元の話で。
ネットで「日記」というものを読むようになってから、私が必ず目を引かれてしまうタイプの日記を書く人でした。


うん。乙一は面白い人くて暗いだと思った。だからあんな「騙された!」っていう小説が書けるはずだと、納得した。
あぁ、この「面白い人」論をうまく文章に出来ない自分がもどかしい。


あ、私のいう「暗い人」ってある意味で褒め言葉です。根暗にもタイプが色々あるけれど、暗くて面白い人っていうのは、私の中でツボの中のツボです。ええ。「相手してもらえるかしら、私なんかが…」なんて、実生活でそういう人と出会っても思ってしまって、でも近づきたくて周りをうろうろしてしまう、そんな感じのタイプ。


別の言い方をすると、
「真顔で嘘がつけるタイプ」(それもどうしようもない嘘を)
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