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男と女の友情について

このあいだ、友人と話をしていた時のこと。
この友人は男性である。

彼が、私のことを「知り合い」と呼んだ。

それはちょっとひどいんじゃない?と、私は笑った。
知り合いと呼ぶには、親しすぎる間柄なんじゃない?と。

せめて友達にしておいてよ、と言ったら、その友人は、
「『友達』という言葉ほどあいまいな言葉はない」
と返してきた。確かに言われてみればそのとおり。

友達という言葉は、便利なのでよく使うが、
その関係の質は、非常に幅広い。

人によっても友達の定義は違うだろうし、なるほど、と納得したところで、

「じゃあたいこは、この関係をなんて呼ぶの?」
と、逆に聞き返されてしまった。
「友達という言葉はなしでね」と。

はて、この関係はなんと呼ぶのだろう?

彼とは軽い話から深い話までとりとめもなく出来る。

性格は似ていないが、物事の考え方が似ている。
似ているようで、根本的なところが違っていたりする。

要するに、色々話していて楽しい人なのだ。
こういう人は、結構いそうでそういない。

よくよく考えた挙句、私が出したのは

「ちょっと気軽に出来ないような話も出来る、貴重な人」

という答えだ。

友人は、「うーん、うまい言い方だ」と納得していたが。

「男と女の友情が成立するかどうか」とは、よく聞くが、
この答え、私の中では「成立する」である。

お互いがお互いを異性と意識しない間柄の友情。
そういう関係は、まあ、私の場合はよくあることなのでこれは例外として。

では、逆にお互いがお互いを異性として意識したうえでの友情は?

実は、この答えも私は「あり」だと思う。
ただし、この友情はバランスが非常に難しい。

同性同士の親友関係でも、嫉妬という感情はつきものだ。
お互いのいいところも悪いところも認め合った上での好意も勿論ある。

この関係と、恋愛関係とどう違うんだろう。

根本的には同じである。

だからこそ、男女間の友情は、
一歩踏み出すと簡単に恋愛になってしまうのだろう。

ところが、恋愛関係にしてしまうのは惜しい相手というのがいる。

恋愛は、続けばずっと一緒にいる可能性もあるが、
終わった時は今までの友人時代の関係から、一切なくなってしまう事もある。
その人の性格に拠る所も大きいだろうが、
やはり、前みたいな関係、って無邪気に戻れないものだとも思うのだ。
vだからこその、あえて踏み込まない友人関係。

お互いがそういう気持ちを強く持っていれば、
男女間の友情はありうると思うのだが。

ただ、この関係…
間違いなく配偶者や恋人に嫉妬されそうではあるが。

配偶者、恋人になる人には、これに「縁」というものが必要である、
と、付け加えておこう。
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