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ネット依存症

私は、自他共に認めるネット依存者である。
ネット依存の是非について、書いてみようと思う。

以前、私のネット依存度に触れた事があるのだけれども、
そもそもなぜ、ここまでべったりと依存してしまっているのか。
そして、私は一体、何をネットに求めているのか。

きっかけはただの好奇心。

チャットってどんなもんだろう…と思って始めてみたのが最初。
最初のチャット、実はいい思い出がない。
なんせサバ落ちで終了。部屋に戻る戻り方も解らなかった。

でも程なく見事に嵌った。
チャットに嵌った。
匿名であり、相手が何歳なのか、どこの人なのか、下手したら、
男なのか女なのかすらわからない中の会話に、魅了されてしまった。

会話をする事に飢えていたんだと思う。
そして、同じ欲求を持つ主婦も会社員も学生も、
結構多いのじゃないかと思う。

みんな、最初はのめりこむなんて思わずに戸を叩く。

世の中には、こんなにも沢山の人たちがいる。
会社にも、街にも、公園にも。
でも、コミュニケーションは取らない。素通りしていくやまほどの人。

そして、○○ちゃんのママ、という仮面。
○○部の○○課所属の○○さん、という仮面。

仮面は人を無機質にする。

本来仮面を外すべき家庭の中でさえ
父親の、母親の、夫の妻の息子の娘の兄の姉の妹の弟の仮面を、
被らざるを得ない状況。

仮面を取れるのは一人のときだけ。
でもすでに自分はなんなんだか見失っていて。
自分の感情の根本はなんだったのか。探し当てる事が出来なくなって。

迷宮。

自分はこんなじゃない。でもいつか。でもいつか。今ではないいつか。
そしてこんなじゃないはずの自分をなくしてしまう。

感情や感覚を、信じきる強さ、愚かさ。

それが出来なくて、それはそして自分だけじゃなくて。

失望と安心。

失望は、まだ求めている証拠。自分の感情の根源を、求めている証拠。

そしてネットの世界に埋まっていく。

傷つくの怖いから。ネットのバーチャルなら、
傷つく前に逃げられるから。捨てられるから。なかった事にしてしまえるから。

でも、ネットの回線の向こう側には、確実に人がいる。
バーチャルだってなかった事になんか、できない事も気づいている。

失望と希望と安心。

求めるばかりでは、傷つく覚悟がなければ、依存はきっと断ち切れない。

わかってはいるんだけれどもねぇ…。

ネットという、甘味なツールが、すぐ手の届くところにある生活。
…この誘惑は、本当に断ち切りがたいです。

ええ、実際。

そろそろネットとはいい距離を保ちたいなぁ、と、思っているのですが。

無理かなぁ(笑
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