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渇望するもの

渇望するもの・ことが叶わなかったためしがない。
これだけは、と、思ったものは大抵叶っている。

叶わないのは失恋くらいか。

渇望するものがどうしても手に入らないと悟った時、本当に諦めがつけられた時、諦められたご褒美に何かをもらえるものだと私は思っている。
失恋で人は成長する、とよく言うし、私もそれはそう思う。
それはきっと、何を置いても失いたくない人を、手放さなければならないからだろう。
そこで躓いて執着してしまうと、その後の生き方がたいそう味気なくつまらないものになってしまう気がする。

もう手に入らないものに対して執着を持つということは、自分を嫌な感じに削ることだと思う。

大抵この手の執着には、裏側に恐怖が潜んでいる。

「もう二度と同じようなものは手に入らないかもしれない。味わえないかもしれない。それは怖い。
だから、失いたくない。或いは失ったと認めたくない。」

けれどそれは亡霊のようなものなのだ。
失ってもう二度と戻らないものもあるのだ。

渇望する事は悪いことではない。いい事だと思う。
けれど、それがドロドロの執着に変身しないよう、上手に付き合って行かなければならない感情なのだろうなと感じる。
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