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守るもの

人を強くする一つのきっかけ、だと思う。
守るものがある、ということ。


今現在の私には、結構真剣に守ってるものが3つある。


子供たち。


かなりの勢いで守ってます。
何かを守るには、自分がそれだけの力を持たなくちゃならない。
だから、守るものを持つと人は強くなるんだと。


私が守る事を意識した瞬間。実ははっきり覚えてる。



最初の子供を産んで、退院してきて、初めて家で2人きりの時間をすごした日。
授乳していて、もう、なんだか生まれたての赤ん坊ってね、必死なんです。
必死で乳を吸う。


赤ん坊、最初から乳飲むのが上手ではないしね。
飲みながら練習していって、しかも乳は、出始めると勝手にぴゃーぴゃー出てきてしまうもので、子供はゲホゲホしながら吐きながら、乳を飲む=栄養を採るコツを覚えていきます。


その必死な姿を見ていて、まあ、飲むほうも必死ならば与えるほうも必死なわけでして。
お互いに必死な授乳風景の中、私は子供を見ていて、


「あ。今、私がいなかったらこの子死ぬ」


って思ったんです。
実際に死ぬなんてこと、ないんだけどね。私がいなくなったら、誰かが育てる。
今の日本はそういうふうにできている。


でも。


そういう理屈ではないところで、私は思ってしまった。


今にして思えば、あれは子供というものを育てるうえで、必要不可欠な感情なんだと。
だから、ごく自然にああいう感情がうまれたんだなぁと感じています。


それまで、死ぬわけでもないし死のうとも思わないけれど、ただなんとなく「いつ死んでもいいや」と感じていた気分がすっかり抜けまして。
それから今まで、私は自分が守りに入った事を感じています。


だって、守る人だから。私。


子供を守るのは私だから。


母は強し、と言うけれど、これはきっと「そういうふうにできている」人間が上手に次の世代に命を残すための、仕組みなんじゃないかなぁと思ったりしています。
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