トップ自己紹介|テキスト|よみもの趣味ごろくBBS|リンク|FB
<< 入江雅人 | text_top | 受身の人 >>

言葉のちから

言葉のちから。
私は脚本を書いていた。脚本だけでなく、
様々な形で色々な物事や気持ち、空気を文章によって表現しようとしている。

そして思う。
言葉とはなんて便利で不便なものか。
「言葉は心を超えない」昔流行った歌の歌詞である。
まったくもってそのとおりで、言葉を重ねれば重ねるほど、
伝えたい思いからは遠ざかっていったりしがちである。

戯曲や詩を通して私が伝えたいのは、
まさにこの、「言葉では伝わらない部分」であり、
だからこそ、うーん…と悩み悩んで言葉を選ぶのだが。

言葉をいくら重ねても重ねても伝わらないもどかしさ、
たったひとことで、全てが分かりあえる奇跡のような瞬間。

誰かと誰か、自分と誰か、言葉がなくても心が通じ合う瞬間がある。
そういう瞬間は、とってもいとおしい。

私は言葉を使って、言葉のいらない瞬間を描こうとしている。
言葉を使って、そういう瞬間を描く事が出来るのも、
言葉のちからなのかもしれない。
| エッセイ | pagetop↑