サボテンとバントライン
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それはすばらしい、たましいのむすびつき 2013-07-26

きみのゆくみちははてしなくとおく、
かふくはあざなえるなわのごとくきみにふりかかるだろう。
しかしみよ、
きみのそばにはおなじたましいをわかつものがいる。
それはすばらしい、たましいのむすびつき。
なんてかいてきなせいしゅんのほうほう
(極東学園天国 / 日本橋ヨヲコ)

これは日本橋ヨヲコの「極東学園天国」の冒頭に載っている詩です。
私はそんなに漫画に詳しくないので、おとなになるまで日本橋ヨヲコの漫画を知らずにいました。
私に日本橋ヨヲコを教えてくれたのは、今となっては大変懐かしい記憶となっている大好きだった人。
青春をこじらせると青い時代は長引いてしまう。
私の青い時代は、二十歳を過ぎた頃から数年中休みして、三十歳になるまで続いたのでした。
今までに色々なものをこじらせて来ている私ですが、三十歳になった時にとりあえず大人の仲間として足並みを揃えられたのは私に日本橋ヨヲコと、ひとりで遊ぶこと・孤独であることを楽しむことを教えてくれたあの人のお陰であるところがとても大きい。相手はどう思ってるんだか知りませんけれども。
そんな訳で、今はもう二度と会うこともないその人には大きな感謝をしているのでございます。
ごきげんよう、たいこです。
今日は特別な日でございました。
仕事を休んでいなければこんなふうに時間を過ごすことはなかったと思うのだけれど、結果的にそういうふうに時間を過ごしたのだからそういう日だったのである。
日本橋ヨヲコは今、IKKIという月刊誌で連載をしています。
著者にしては異例とも言えるほど息の長い連載をしています。
私は単行本化した彼女の作品はすべて持っていますが、一番長くて4巻なのです。
どうも連載中に打ち切られることが多かったようなのです。切ない。
きっと彼女の作品に元気をもらったり希望をもらったりした人は多い。
私だって、出来れば彼女の作品には10代の頃に会いたかったって痛切に思ってる。
アツくてクサくてダサい事の中には、大事なものがたくさん詰まっていると私は思うのです。
彼女の作品には傷をたくさん持っている人たちがそれこそわんさか出てくる。
大体皆が傷を抱えてる。
泥水の中で傷だらけになりながらもがいてもがいて、それでも上を見続けられる人の美しさ。


子供を妊娠すると母子手帳がもらえます。
この母子手帳は、小学校入学するまでフル活用する子供の成長記録でもあります。
すごくよくできている手帳なのです。
それさえあれば、どういう経過を経て出産に至ったのかも、
自分の生まれた場所も生まれた日も時間も生まれた時の状態も、
生まれてからどのくらいでどんな予防接種をしたのかも、
どのくらいのペースで大きくなったのかも、
いつ喋り始めたのかも、立ったのかも歩きはじめたのかもわかるようになっている。
もちろんきちんと記録していればの話ですが。
そこに成長曲線というグラフが載っています。
折れ線グラフで子供の身体的な成長を書き込んでいくそのグラフには、60%の帯と80%の帯が書き込まれています。
それは、その月齢の子供の6割/8割がこの帯の中にはまるよ、というガイドライン。
私の長男と次男は揃って2歳児検診というものを受けています。
普通は受けないんですね。2歳では。
1歳半で受けたあとは3歳まで公費でまかなえる健診はない、、のです。
2歳で健診を受ける子は、この80%の帯から外れた子なのです。
長男は言葉が出てくるのが遅くて、2歳になってもしゃべることのない子でした。
そのせいで2歳の時に保健所から呼ばれました。
次男はとても体が小さくて、身長と体重が80%の帯から下回ってしまって呼ばれたのでした。
幸いどちらも「この子なりに成長していますね」というお墨付きをもらって事なきを得たのですが、
この80%の帯って、幼児期を抜けたってきっとずっと、
おとなになった今だって私達の中に歴然としてあるものだと思う。
そして、この見えない80%の帯は小学校、中学校、高校と行くにつれてその中で暮らす子どもたちに絶大な影響力を与えるのだと思う。


日本橋ヨヲコの作品は、この80%から漏れてしまった生きづらい思いをしている子どもたちに元気を与えてくれる。
それでいいんだよって教えてくれる。
あきらめないで、人とぶつかることの大切さを、生きることの素晴らしさを教えてくれるのです。
我が家の子どもたちは、結構小さい頃から当たり前に彼女の作品を読んでいます。
私以上に繰り返し繰り返し読んでいます。
中学生の子どもたちはそろそろこの作品の中に込められている意味を理解し始めるだろうと思う。
こういう素敵な作品とともに成長出来ることは、彼らにとって間違いなく幸せなことだと思う。


これは読書記録に載せるべき記事のような気がしてきた・・・ので、最後に日記のようなことを。
崩した体調は徐々に快方に向かっておりまして、おそらく明日は会社に行けるのです。
3日休んじゃうとさすがにオオゴトになってしまうので、なんとかしたい。。。
1日行ったらおやすみなんだけどね(苦笑)
今日から修学旅行に行った娘。彼女がいないとこれほど家が静かなのか。。。というくらい家の中が静かです。
そりゃ考えたら、彼女を除いたらうちにいる子供は中学2年と3年なのです。
毎日のように喧嘩する年齢でもなくなったのよなあ。
まあ、娘が戻ってきたらまた毎日のように喧嘩する日々になるのですけれどもね。

カテゴリー 日記