「綿いっぱいの愛を怒りに代え！　布破れ！綿もはみで！体もげてさえ！
　命をかけて守ってみせよう！ボタンの瞳にかけて、正義と君を！！
そう、我が名は友情の戦士！　縫製人間　ヌイグルマー！！！！」


格闘技マニアなオーケンがうきうきしながら書いたんじゃないかと思うような格闘シーン満載。 詳しい人ならそこでもかなり楽しめるのではないかと。 （私は残念ながら格闘技に暗い）

高円寺のクリスマスは、踊るゾンビの阿波踊り大会。
愛や友情や勇気を堂々と謳いあげる。臭いほどに。
でも謳いあげてるのはヌイグルミ。

その辺のバランス感覚が大槻ケンヂのよさなのだと勝手に解釈しています。

出てくる登場人物は皆一芸に秀でたフリークス達。
恐怖の存在として恐れられ、絶大な力を誇りつつもマイノリティの弱さ脆さを漂わせる人たち。

大筋やテーマはとっても分かりやすい王道のお話。
その色のつけ方が大槻ケンヂならではという。
あのセンスが好きな人にはお勧めです。私は大好きです。

一度ベッタベタのファンタジーを書いてみたらきっと面白いものを書いてくれるだろうなぁ、と密かに期待しています。


ま、ファンタジーなんだろうな。この作品も。大まかに分けると。