トワイライト
痛い話。重松清は嫌いじゃない。好きな作家なのだけれど、この人の小説はどれを取っても現実がつきまとう。
耳に優しい言葉を語らない。とことんまで「にっちもさっちもいかない」現実をたたきつける。それがまたリアルだから困る。
うわぁぁぁぁぁって頭抱えて、なかったことにしておきたいあれやこれやを突きつける。でも当たり前なんだ。なかったことにしてもそれはそこにあるのだし、後回しにしたところで消えてなくなってはくれない。逃げ続けるわけにも行かない、どうしようもない事実。
それは息子の進学だったり、それにかかる費用だったり、リストラされてしまってこれからどうやって生きて行こう、だったり、こんがらがって修復不可能になった夫婦だったり親子だったり。
逃げ続けてる間にもお金は日々消費されていって、それが生きているっていうこと。
逃げ続けてる間にも日々子供は成長して行って、子供の子供時代は確実に消化されていく。
「今ちょっとそれどころじゃないから」っていう待ったが効かないのが現実で、あれやこれやを耳を塞いで目を逸らしていくと、そのうちに「こんなはずじゃなかったのになあ」になる。
こんなはずじゃなかったのになぁ とぼやいてみても現実は変わらないんだよねぇ。お金がなければ食うに困るし、ぼやいて現実逃避してみたってお腹が膨れるわけでもなく、お財布にいつの間にかお金がたまるわけでもない。子供は放っておいても育つけれど、大事なものを代償にしなければ、子供は子供ひとりでは育たない。
生きるってしんどいねぇ。でも、生きなきゃいけないし、どうせ生きるなら少しでも楽しく生きたいよねぇ。それにはまず現実を飲み込まないといけないよねぇ。
当たり前なんだけれど、抱えるものが大きくなればなるほどこれって難しいのかもしれない。大人が大人になりきれないオトナコドモなのは、きっと時代のせい。逃げ道がすぐそこに、いつでも用意されていて、その逃げ道に踏み込まずにがんばるのは結構な力が必要だから。
そんなこんなで色々なことを考えて、少しだけ暗くなったのは内緒。でもね、いい小説でした。こういうずしんと来るお話をやっぱり時折読まないといけません。
重松清が重たい重たい現実の後に提示するのは、必ず、都合のよくない、甘くない、ビターな希望だから。苦くて痛い思いをしても、現実に踏ん張るきっかけや考えるきっかけをつくってくれるから。
すこしだけ元気がないと読みきれないかもしれない小説ですが、お勧めです。
耳に優しい言葉を語らない。とことんまで「にっちもさっちもいかない」現実をたたきつける。それがまたリアルだから困る。
うわぁぁぁぁぁって頭抱えて、なかったことにしておきたいあれやこれやを突きつける。でも当たり前なんだ。なかったことにしてもそれはそこにあるのだし、後回しにしたところで消えてなくなってはくれない。逃げ続けるわけにも行かない、どうしようもない事実。
それは息子の進学だったり、それにかかる費用だったり、リストラされてしまってこれからどうやって生きて行こう、だったり、こんがらがって修復不可能になった夫婦だったり親子だったり。
逃げ続けてる間にもお金は日々消費されていって、それが生きているっていうこと。
逃げ続けてる間にも日々子供は成長して行って、子供の子供時代は確実に消化されていく。
「今ちょっとそれどころじゃないから」っていう待ったが効かないのが現実で、あれやこれやを耳を塞いで目を逸らしていくと、そのうちに「こんなはずじゃなかったのになあ」になる。
こんなはずじゃなかったのになぁ とぼやいてみても現実は変わらないんだよねぇ。お金がなければ食うに困るし、ぼやいて現実逃避してみたってお腹が膨れるわけでもなく、お財布にいつの間にかお金がたまるわけでもない。子供は放っておいても育つけれど、大事なものを代償にしなければ、子供は子供ひとりでは育たない。
生きるってしんどいねぇ。でも、生きなきゃいけないし、どうせ生きるなら少しでも楽しく生きたいよねぇ。それにはまず現実を飲み込まないといけないよねぇ。
当たり前なんだけれど、抱えるものが大きくなればなるほどこれって難しいのかもしれない。大人が大人になりきれないオトナコドモなのは、きっと時代のせい。逃げ道がすぐそこに、いつでも用意されていて、その逃げ道に踏み込まずにがんばるのは結構な力が必要だから。
そんなこんなで色々なことを考えて、少しだけ暗くなったのは内緒。でもね、いい小説でした。こういうずしんと来るお話をやっぱり時折読まないといけません。
重松清が重たい重たい現実の後に提示するのは、必ず、都合のよくない、甘くない、ビターな希望だから。苦くて痛い思いをしても、現実に踏ん張るきっかけや考えるきっかけをつくってくれるから。
すこしだけ元気がないと読みきれないかもしれない小説ですが、お勧めです。
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