キノの旅―The beautiful world
簡単にどういう話かご説明しますと、主人公のキノが、愛棒のエルメスと旅をします。あちらこちらの国を、見て回ります。…以上です。
というのは、筆者のあとがきにある、筆者自身の作品解説です。
この解説まんまのお話。
ライトノベルだけあって、さっくり読みきりました。
ただこれ、何冊…今9冊ですか。出てるの。
全部読むにも半月あれば余裕、の軽さ。長さ。
色々な国を旅するファンタジーです。
本当に色々な国を旅するのだけれど、どこの国にもいるのは、人間なんですね。
どこの国のルールからも外れた人間が、あちこちの国のルールや人間を観て色々感じていく。
そして、自分は何者なのだろうと。
ライトノベルだから、青臭いです。
ターゲットの読者層が若いから当たり前とも思います。
けれどもう30にもなろうというのに、社会というものの作ったルールから微妙にはみ出す自分がいるのを否定も出来ず、こうしてこういう本を読み続けるわけです。
ルールにかっちり嵌る人間など、実はどこにもいない。
色々な国の色々なルールを観てまわったキノが、たどり着く国なんかないんだろう。
ルールを頭から信じて、順応していくことと。
そのルールから飛び出して何かを見つけることと。
どっちを選ぶかは自分次第。
小説の中のお話しですけれどもね。
その中でどう折り合いをつけて生きていくのか。
員数外の淋しさに耐えられるのかしら。私は。そして、キノは。
色々な打算、体力、精神力。
現実は打算して折り合ってこれでいいかと生きていく、それでも、猫見たり犬見たりで生きて行く。
だから、思考くらいすっ飛ばしてもいいよね。